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マタイ受難曲

バッハの最終回は
マタイ受難曲です。

この曲こそ
バッハのみならず
古今のすべての音楽の中で
最上の位置にある音楽だと
僕は思っています。

喜び 悲しみ 怒り 慰め ・・・
人間の感情のすべてが
もっとも純化された形で
この曲の中にあります。

と言っても
けっして感情に流されているのではなく
常に理性が支配して
意識は覚醒しています。

僕はずいぶんたくさんの音楽を聴いたあとで
この曲にたどり着きました。
これはいわば「究極の音楽」です。

「マタイ」を聞くことができて
それを素晴らしい音楽だと感じることができたということに
心から感謝せずにはいられません。

演奏はもちろんリヒターの旧版です。


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ミサ曲ロ短調

「ロ短調ミサ曲」は
バッハとしては珍しく
劇的で感情表現が豊かな曲です。

10年近く前
体調不良をかかえた私は
東京出張のついでで
NHKホールでこの曲を聞きました。
指揮はブロムシュテットでした。
1週間後に入院を控えていました。

最初の一音が鳴った瞬間から
いきなり音楽の大きな渦の中に放り込まれたようでした。
音楽は有無を言わせぬ力で私を支配しました。
演奏の良否などはまるで問題ではなく
バッハの音楽だけが存在していました。
私はただ涙があふれてくるだけでした。

「神」だとか
「絶対」だとか
「運命」とかいう
それまでは考えたこともなかった言葉が
頭の中を去来して、

このタイミングで
他ならぬ「ロ短調ミサ曲」とめぐり逢い
このような経験をするということが、
これからくる入院の結果を暗示しているようで
非常に複雑な気分になったものです。

結局、入院の結果はたいしたことがなくて
(だからこそ今日があるのですが)
私の心配は杞憂に終わったわけですが
それ以来「ロ短調ミサ曲」は
私にとって少し特別な曲となったのです。


ブランデンブルク協奏曲第3番

ブランデンブルク協奏曲(全6曲)は
おそらくバッハの作曲した曲の中でも
もっとも親しまれている曲ではないでしょうか。

どの曲も素敵なのですが
ここでは第3番を紹介しましょう。

何にもおもねることのない
堂々と王道を歩む音楽。
強い意志と
高潔な精神と
すがすがしい笑顔。

そしてなんといっても
聴いたあとの爽快感!
ここにはバッハの魅力が
余すところなく発揮されています。

このような曲は
知・情・意のバランスが取れた演奏者で聴きたいものです。
一番手はやっぱりリヒターでしょうね。


主よ、人の望みの喜びよ

これぞ究極の「癒し」音楽。
原曲は合唱曲ですが
ピアノやオルガンの曲として
あまりに有名ですね。

20年以上前、まだ学生の頃に
NHKで
「四季・ユートピアノ」
というドラマが放送されました。

ドラマのような、ドキュメンタリーのような
不思議な雰囲気を持った映像で
マーラーの「交響曲第4番」と
「主よ、人の望みの喜びよ」が
とても効果的に使われていていました。

主演の中尾幸世さんという
アマチュアの方の透明な存在感とともに
今でも非常に印象に残っています。

何度となく聴いた曲でありながら
この曲をを紹介しようとしたら
そんな昔に1回見たっきりのドラマを
思い出してしまいました。
自分でもとても不思議です。

是非もう一度見てみたいドラマです。


フーガの技法

バッハには職人的な一面がありました。

フーガとはひとつあるいは複数の主題を変形して
追いかけっこをするように繰り返していく楽曲形式のことですが
作曲するにはかなりの技術を要します。

バッハはこのフーガの作曲をライフワークとしていたらしく、
自分自身にいろいろな課題を課して作曲に当たったようです。
たとえば
4段の楽譜がまったく上下対象になるように音符を配置したり
前から弾いても後ろから弾いても同じ曲になったり
楽譜をそのまま180度ひっくり返しても同じ曲になるように
作曲したりしました。

それをすべて一つの主題から作り上げたのが
「フーガの技法」です。

昔から楽譜で鑑賞すべき曲といわれたように
楽譜を見ると楽譜の読めない私でも
一種の感動におそわれるほど
幾何学的な美しさがあります。

しかしバッハのすごいところは
それでいて、聴いても真に感動的な曲に
仕上げたということです。
こんな挑戦に成功した作曲家は
あとにも先にもバッハ以外にありません。

バッハは楽器の指定をしなかったので
ピアノ・オルガン・弦楽・金管合奏など
いろいろな演奏があります。
なかでももっとも面白く聞かせるのは
フーガ演奏の名手グールドによる
オルガンの演奏でしょう。


この曲についてはものすごいHPがあります。
フーガの技法研究所



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