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謝肉祭

「謝肉祭」はシューマンのピアノ曲の中でもとくに有名で
演奏会で取り上げられることも多い曲ですが
前の記事でも書いたように
僕はシューマン一級の作品だとは思っていません。

それでも取り上げようと思ったのは
ここまで取り上げた曲のお勧めCDが
すべて別のピアニストになっていることに気づいたからです。
それならば絶対取り上げなければならないピアニストがいます。

それはアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリです。
イタリア生まれのこのピアニストは本物の「貴族」です。
完全主義で、上品で、一種のアンニュイさを持っています。
彼の得意としたのがドビュッシーなのも納得できるところです。

でもドビュッシーの苦手な僕にとって
ミケランジェリの最も優れた演奏はこの「謝肉祭」なのです。
シューマンにしてはやや鋭さに欠けるこの曲がかえって
ミケランジェリの個性に合っているのだと思います。

このCDを聴くと
ピアノの表現力の限りのなさにはっとします。
この人もまた、空前絶後のピアニストでした。



幻想小曲集(作品12)

ようやく涼しくなってきました。
・・・と思ったら風邪をひいてしまいました。
おかげでつらい週末になりました。
でも月曜になると直るのは我ながら大した職業意識だと思います。

さて、今日紹介するのは「幻想小曲集」です。
幸せな夕暮れの情緒たっぷりの「夕べに」
激しく情熱的で、自由自在に駆け回る「飛翔」
やさしく可愛らしいくせに、妙な切実感のある「なぜに」
不思議なユーモアのある「気まぐれ」はゆったりとした音楽の流れ。
有名な「夜に」は気分がわさわさするような落ち着かない夜の雰囲気。
コケットリーな「寓話」
練習曲風な「指のもつれ」、もとい「夢のもつれ」
そして堂々とした終曲の「歌の終わり」
まさにファンタジックな小曲がそろっています。

同じ小曲集でも「謝肉祭」や有名な「子供の情景」は
とくにシューマンならではというものがあまり感じられませんが
この「幻想小曲集」はシューマンの特上の魅力が満載です。

演奏はリヒテルが第一のお勧めですが、
リヒテルは僕の好きな「気まぐれ」を弾いてくれなかったので
全曲揃ったCDならブレンデルがいいと思います。



クライスレリアーナ

これは青年シューマンの思いのたけをぶつけたような曲。
遥かかなたのものを夢見るロマンチストのシューマン。
激しく、狂おしく、情熱的で攻撃的なシューマン。
そのどちらも魅力たっぷりで、聴く者をとらえて放しません。

学生の頃この曲に深く魅せられた僕は
これまでにいろいろなピアニストのCDを聴きました。
アシュケナージ、アルゲリッチ、ブレンデル、ポリーニ・・・
しかしどのCDを聴いても物足りません。
というのは、最初に聴いたホロヴィッツの演奏が
あまりに素晴らし過ぎたからです。

ホロヴィッツというのは奇跡のようなピアニストで
知性も教養もなく、貧相で下品で卑屈な人間でしたが
神様はそのような男にピアノを弾く天分を与えました。
それも20世紀最大といってもよい超弩級の才能をです!
私の知る限り、このような存在は
ほかに美空ひばりぐらいしか思いつきません。

このようなシューマンの曲はホロヴィッツの独壇場です。
もしかしたらホロヴィッツはシューマンの意図を
はるかに越えた演奏をしたのかもしれません。
とにかく、この曲に関しては
僕はホロヴィッツ以外の演奏は考えられません。



アラベスク

アラベスクとはイスラム文化圏の細密文様のことをいいます。
イスラム教は偶像崇拝を禁止したので、
美術は具象画ではなく幾何学文様が発達しました。
ペルシャ絨毯などイスラム圏の幾何学文様は奥が深く
文化の高さを感じることができます。

転じて音楽の世界でも音を織り合わせるような小品に
「アラベスク」という題をつけることがあります。
シューマンのこの曲も
まさに音による細密画ともいえるような雰囲気はあります。

しかしそれがこの曲の魅力なのではありません。
この曲の魅力はなんといってもそのみずみずしい情緒です。
シューマンの中でもこんな透明感のある曲はほかにありません。
珍しくシューマンの野心を感じさせない曲なのです。
初めて聴いたときから今に至るまで
何度この曲に慰められたことでしょうか。

演奏は美しく、清潔感のあるポリー二のピアノでどうぞ。


交響的練習曲

季節の変わり目で、夏の疲れが出てきました。
ちょっと気力が萎え気味なので「青春」の一曲を。

僕が初めて聴いたシューマンが交響的練習曲です。
大学入学直後なぜかこの曲を聴きたくなり
アシュケナージのレコードを購入しました。

若きシューマンの「思い」が痛々しいほど胸を打ちます。
派手ではあるが繰り返しのやたら多い終曲など
曲全体としては完成度が今ひとつなのかもしれませんが
部分部分であまりの美しさにはっとすることしきりです。
シューマンの天分が遺憾なく発揮された曲で
彼の曲の中で最も「天才」を感じる曲でもあります。

昔から音大生に人気のある曲ですが
演奏は至難を極めます。
よせばいいのにそれでも僕は楽譜を買い込み
何とか自分のものにしようと格闘しました。
まあ、素手でライオンに向かっていくようなものでしたね。

自分には無限の可能性があると無条件で信じていた頃の
甘酸っぱい思い出のひとつです。

当時たまたま手にしたアシュケナージの旧盤ですが
美しい音と一本気で若さゆえの青臭さがこの曲とぴったりマッチして
今でも私の愛聴盤です。


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